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黄丹翼氏(オオタンツバサ)─次代を担う新進気鋭の寿司職人
1980年、山口県出身。手に職をつけたいという考えから、料理人を志す。最初の修業先はフランス料理店だったが、魚を学びたいとの想いを抱き、寿司職人に転向。小倉の名店「もり田」では一番弟子として約8年間の修業時代を過ごし、2012年に独立。当初は、東京で寿司屋を出店するつもりだったが、地魚のおいしさに改めて気づかされたことから、修行先の九州にて「寿司つばさ」を開店する。
洗練された意匠を施した優美な空間に“侘び・寂び”の精神が宿る
小倉駅からほど近い商店街の一角に暖簾を掲げる「寿司つばさ」。和の趣を感じさせるアプローチを抜け店内に入ると、白木の美しいカウンターが出迎えてくれる。数奇屋大工の棟梁が手掛けたという内装は、障子や照明を効果的に用いた温かみのある空間となっており、さりげなく配された季節の花が“侘び・寂び”を醸す。凛とした雰囲気の中で、精魂を込めて握られた一貫に舌鼓を打ちながら、柔和な人柄の大将との会話も楽しみたい。
酢橘や塩、あるいは旨みを重ねて。魚の魅力を活かす足し算の美学
柚子やカボスなどの酸味でアクセントを効かせた寿司が供される「もり田」のスタイルを継承しながらも、それに囚われすぎない自由な発想を組み合わせた黄丹氏の握り。九州近海で獲れたものを中心に旬の魚介を厳選し、ネタに合わせてシャリの温度や大きさに変化をつけるなど、素材の持ち味を最大限に引き出すための手間を惜しまない。魚の豊潤な旨みと程よく握られたシャリが渾然一体となった、美味なる一貫を心ゆくまで堪能したい。
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無