山﨑

山崎志朗氏（ヤマサキシロウ）─和食界に楚々たる新風を吹き込む

1987年、東京都生まれ。日本料理の新境地を切り拓く若き実力者。完全紹介制の赤坂の名店「もりかわ」で8年間修行を積んだ後、独立。2018年8月に「山崎」をオープンした。伝統的な和食の技巧をベースに、開店前に勤めた「チウネ」「アカ」といった異ジャンルでの経験を織り交ぜ繰り出すのは、他に類を見ない新しい日本料理の数々。またソムリエ資格を有しており、厳選した美酒でその独自の和食世界に彩りを添えている。

心躍り、舌が悦ぶ。刮目すべき麗しき日本料理

この店の料理は伝統的な日本料理を基軸としながらも、和食という枠を超える自由さが魅力だ。八寸・刺身はなく、スペシャリテは猛々しい旨味を孕む鼈(すっぽん)の炭火焼。丁寧に出汁をひいた吸い物に、トッピングが極まる土鍋ご飯。どれも素材の持ち味を最大限に生かす、研ぎ澄まされた味わいだ。またその味わいを淡から濃、軽から重にする構成力も見事の一言。想像を超えた迫力の料理が流暢に供され、ゲストの目と舌を魅了する。

珠玉の味わいに心酔する、自由で清らかな気配に満ちた和空間

白木のカウンター、杉の障子の行灯照明、漆喰壁と天井……店名を白く抜いた朱の暖簾をくぐると、そこに広がるのは洗練された和空間。店主の手仕事が臨めるL字カウンター8席のほか、4名まで利用できる個室一部屋も用意があり、穏やかで清らかな温故知新の世界観にゆったりと身を委ねて、供される日本料理を味わうことができる。若き店主の瑞々しい感性に溢れた店内で、新たな美食体験に酔いしれたい。