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末冨氏の料理観を変えたスペシャリテの一つ、焼きすっぽん
最近ではよく見かける焼きすっぽんだが、ここ「末冨」がいわば嚆矢。陶芸家にして稀代の食楽家でもある福森雅武氏から教わったそうで、これが料理への開眼に繋がったという。酒、醤油、すっぽんのスープを合わせたタレをつけつつ、生から炭火で焼き上げるわけだが、末冨氏曰く「味の決め手はスープをかなり濃くとる」こととか。見た目は変わり映えせずとも、ひと工夫することで唯一無二の味が生まれる。
見た目はシンプルでありながら、隠れたところに手間暇をかける
「この百合根饅頭のように見た目は地味だけれど、昔ながらの少し手をかけた料理が好きなんです。」とは末冨氏。百合根饅頭とは、丁寧に裏濾した百合根に白玉粉を混ぜた生地で、やや甘口に味付けした鴨のたたき身を包んで蒸し、銀あんをかけたもの。古くから伝わる日本料理だ。百合根は、自然な甘みときめ細やかな舌ざわりが特徴の北海道産白銀を使用。もっちりした百合根の食感に銀あんが優しく寄り添うしんみりとしたおいしさだ。
大人の美食エリア”シブニ”こと渋谷二丁目界隈に潜む瀟洒な一軒
店の前に立たなければ分からないほど控えめに掲げられた“末冨”の看板。うっかりしていると、そこが店であることも気がつかないーーそんな慎ましやかな佇まいも「前店でお世話になったお客様への恩返しの気持ちで始めた。」と語る末冨氏の想いを反映しているかのようだ。扉を開けると、現代美術の大家李兎煥氏の絵が出迎えてくれる。カウンターのほか、奥には落ち着いた個室もある。住所非公開の完全予約制。
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。
カード可
電子マネー不可
QRコード決済不可
有