メゾン ケイ（Maison KEI）

佐藤充宜（サトウミツヨシ）─小林圭氏の薫陶を受けた料理人

三重県生まれ。2006年に「エコール辻大阪」に入学。卒業後は東京・五反田「ヌキテパ」などに勤務。2011年に24歳で渡仏、トゥールーズなどの地方のレストランで修業を重ねる。2015年からパリ「レストランケイ」にて勤務。2021年1月に「メゾンケイ」シェフに就任する。「パリや東京と比べて、御殿場は生産者との距離が圧倒的に近いのが素晴らしいですね」。この地の清らかな空気と水も気に入っていると話す。

パリ「レストランケイ」のスペシャリテが、日本仕様の一皿に

パリ「レストランケイ」のスペシャリテ「庭園風季節のサラダ」は、「メゾンケイ」のコースの冒頭を飾る。主役は地元産を中心とした30品目に及ぶ野菜。レモン風味の白い泡の下には、フレッシュトマトなど4種のソースを忍ばせている。添えられたクランブルを入れて混ぜ合わせれば、食感とフレーバーが実に多彩。他にも味わいのアクセントに地元・御殿場産のくぬぎ鱒のスモークを加えるなど、地産地消の考えが貫かれた一皿だ。

富士山を眺めながら、清らかな自然が育んだ滋味を楽しむ

晴れた日は、眼前に富士山の絶景。加えて、周囲には豊かな自然が広がる。また東名高速御殿場インターから車で10分。ここ御殿場市には1978年から「とらや」の主力工場があって、同社には縁深い場所。この地の清冽な湧水は、「とらや」の味づくりに欠かせないのだ。そんな「とらや」のあんを使ったデザートも、「メゾンケイ」の名物。地元・静岡の素材尽くしのコースの後に、ゆっくりと堪能したい。