チェルカ トローヴァ（CERCA TROVA【旧店名】TRATTORIA ENZO）

横山恵春（ヨコヤマヨシハル）－延岡の奥深き魅力を一皿に描く

1970年、延岡生まれ。幼少時から料理人に憧れ、高校で調理科を専攻。卒業後、フレンチやイタリアンで修業。上京後、「RistranteYAMAZAKI」などで修業を重ねる一方で、東京にはない延岡の素晴しさを再確認する。27歳で帰郷すると、料理から離れ資金を集めつつ、休日には海や川に潜り、山へ入り、延岡の奥深き魅力を発掘。1997年にトラットリアをオープン、2015年に現在の地へ移転した。

生産者の情熱が注がれる食材を、横山流のイタリアンに

シェフの横山恵春氏が大切にするのは、どこの産地の食材かではなく、「どんな人のどんな思いが込められた食材か」の一点にある。たとえば、野菜は、無農薬の飼料で育つ動物からの堆肥を使ったスーパーオーガニック。ジビエは、ハンターが猟犬とともに眠っている鹿や猪を捕らえ、目を覚まさぬうちに仕留め、すぐさま解体する。そんな食材を手をかけ、時にシンプルに。横山氏がここでしか味わえないイタリアンに昇華させる。

マダムのセンスがレストランの時間を優しく彩る

住宅街の一角にある店は、看板もなく、一見レストランとは分からない。しかし、扉を開けた先に待ち受けるのは、「チェルカトローヴァ」独自の世界。マダムの美的センスが散りばめられた空間は、器や料理が映えるようグレーで統一され、そこにアンティークの棚や、イタリアから取り寄せたタイルの床が合わさる。マダムがその日の気分で調合するというアロマも心地よい時間を作り出す所以だ。