東山 吉寿（よしひさ）

鈴木吉寿氏（スズキヨシヒサ）─確かな技に裏打ちされた極の一品

1977年、滋賀県生まれ。日本料理店や割烹で修業を積む傍ら、調理師免許のほか、ふぐの調理師免許、日本酒利き酒師の資格を習得。その後入店した【京YUNOHANARESORT翠泉】ではオープン時より5年間料理長を務めた。ゲスト一人ひとりへ向けられる心づくしの料理や温もりあるもてなしの精神はこの頃から持ち続け、その信念は、念願叶って独立した現在の店舗【東山吉寿】の存在意義でもある。

探求し、疑問を持ち理解を深める。たゆまぬ努力の結晶をいただく

饗されるのは、培った和の技をベースに毎月違うテーマに挑む独創的な一品。多彩なジャンルを巻き込んでの壮大な挑戦は、料理への純粋な執着心なくして成立しない。例えば、二八蕎麦が美味しいといわれる所以を突き詰めるためには、自ら様々な割合で試すのが鈴木氏の“あたりまえ”。素材ごとの火入れや調味料の効果的な使い方など、尽きることのない求知心は料理への深い理解へと昇華される。次なる一手が読めない、気鋭の一軒だ。

随所に光るホスピタリティ。屈託のないおもてなしに心を委ねて

東山の繁華街から離れた静かな路地。緩やかな坂道の途中に【東山吉寿】はある。白い暖簾で隠し、わざと見えなくしたという遊び心がきいた表札をくぐると、スタッフの朗らかな笑顔が出迎える。ショーのような演出、食を大いに愉しむための調度品や、ゆったりとした空間も。全ては「思い出に残る時間をお客様と共に過ごしたい」というシンプルな願いから生まれたものだ。衒いのない安心感がもたらす美食の時間を、しかと味わいたい。