炭火割烹 いふき 公式

山本典央氏（ヤマモトノリオ）─入魂の火技で丹念に焼き上げる

1972年、京都府出身。親戚が和食や中華の料理人だったこともあり、自然と料理人を志すように。16歳で料理の世界に入り、築地｢河庄双園｣や祇園｢あじ花｣などで研鑽を重ねた後、2005年に先斗町にて｢炭火割烹いふき｣をオープン。スペインなど各地を巡って研究を重ねた炭火焼きをメインに供する斬新な割烹が評判を呼び、京都一予約の取れない人気店として知られるように。2011年、現在の祇園へと移転する。

京の情緒を感じる一軒家で、坪庭を眺めながら美食のひと時を

風情ある街並みが美しい花見小路の一角で、ひっそりとした佇まいを見せる｢炭火割烹いふき｣。カウンター内に設けた炭台から聞こえるパチパチという音とほのかに漂う芳醇な香りが食欲をそそる。京都の陶芸家をはじめとした、現代作家の器を中心に揃え、夏にはヴェネチアングラスを用いた皿を使うなど、季節に合わせて変化をつける粋な演出も嬉しい。手入れの行き届いた坪庭を眺めながら、素材の滋味を引き出した逸品を楽しみたい。

素材の美味しい瞬間を炭火で閉じ込めた、瑞々しく輝くひと皿

厳選した市場からの仕入れに留まらず、上質なものが入ったという情報があれば、産地から直接取り寄せるなど、素材選びにも一切の妥協を許さない。そうして選び抜かれた食材が炭火によって息を吹きかけられ、一番好い状態で客人に振る舞われる。若狭産のあわびを昆布だしでじっくりと煮たという“あわびの柔らか煮の軽い炙り”など、盛り付けまで美しい繊細なひと皿からは、真摯に料理と向き合う店主の実直な人柄が感じられる。