センティウ（SENTI.U）

内田康彦（ウチダヤスヒコ）－地域食材を繊細な味の料理に昇華

高校卒業後、飲食系の企業で料理を学んだのち、東京の飲食店でフレンチやイタリアンを学ぶ。退職後、イタリア・ピエモンテで修業し、帰国後、三重のリストランテを経て兵庫のオステリアで料理長を4年ほど経験。故郷の九州に戻り、妻の出身地である鹿児島県鹿屋市で「リストランテウチダ」を開業。2018年に移転し、「センティウ」へと店名を改めた。

大隅半島で水揚げされる魚介を中心に調理

「地元の人々の営みを守るために、積極的に地域の食材を使いたい」とは、内田氏の言葉。大隅半島の漁港にこまめに足を運んで良質の魚介類を仕入れ、コースに取り入れている。たとえばシロアマダイが入荷した日は切り身にして少し温度を上げて旨みを引き出し、豚の背脂の生ハムを薄くまとわせて塩味を足し、地物の落花生のソースを添えて香りを楽しむ一品に仕立てる。どの料理も噛むごとに味わいが豊かに広がっていくのが魅力だ。

ナチュラルワインや鹿児島焼酎が豊富に揃う

杉の引き戸や柱など木材を多く使用し、かつ、暖色系の照明でやわらかな印象を演出する、和のテイストを取り入れた空間。凝りすぎていないシンプルな椅子やテーブルは、まるで気の置けない友人の家に来たかのような親しみやすさを感じさせる。よくよく見てみるとカウンターには目の整った美しい木の板を用いるなど、細部までこだわった内装が、繊細で洗練された内田氏の料理と調和する。