丸新 公式

熊倉誠（クマクラマコト）─生産者たちの魅力を料理で伝える

1972年、福島県郡山市で米屋や蕎麦屋など業態を変えながら四代続く「丸新」に生まれる。東京の日本料理「いらか」各店で修業を積み、2001年に独立。「丸新」を本格的な和食の店として引き継いだ。2011年、東日本大震災からの復旧を付き合いのあった全国の生産者たちが応援してくれたのを機に、“生産者の魅力を伝えるための料理人でありたい”と開眼。フットワーク軽く生産者を訪ね、優れた食材を積極的に使っている。

全国の生産者との強いネットワークから生まれる珠玉の料理

海と山の多様な魅力をそなえる広大な福島県のほぼ中央に位置する郡山。鉄道と高速道路の交通の要衝であり、空港も近い郡山は、県内や隣県はもちろん、全国から新鮮な食材を手に入れることができる。たとえば、ある日のお造りは相馬のヒラメ、長崎の本マグロ、天草のサワラとアオリイカ、御宿のキンメ。そこに、地元産オレンジを低温乾燥させた、酵素が残るオレンジパウダーを添える。醤油も県内で手造りで醸造されている逸品だ。

左党の心もつかむ、呑める日本料理店

酒を好む常連が多いという「丸新」は、飲み物のラインアップも充実。料理とのマリアージュが楽しめる日本酒とワインが特に人気。日本酒は福島県のまだあまり知られていない銘酒の数々を揃え、ワインは仏・ブルゴーニュ産と長野や北海道などの選りすぐりの国産を用意している。コースの中盤に、酒の肴にもってこいの焼き八寸の盛り合わせを挟むなど、左党の心をくすぐる料理の計らいもたまらない。